THIS IS HOW WE CREATE No.006 WOOL MESH SERIES
真夏の陽射しの下で身体を動かすとき、肌にまとわりつく重さから解放されたい——そんな感覚を、きっと多くの方が知っているのではないでしょうか。HERENESSのウールメッシュシリーズは、私たちがこれまで追い求めてきた「天然素材で走る心地よさ」を、もっとも過酷な夏のシーンへと広げるために生まれました。今回のTHIS IS HOW WE CREATEでは、MDの八日囿が、立ち上げ時から製品企画を手がけてきた神谷に、この素材がどのようにかたちになったのかを聞いていきます。
NIKKE AXIO®︎ 三つの選択肢
八日囿
HERENESSにはウールのTシャツがいくつかありますが、ウールメッシュシリーズの素材としての特徴を改めて教えてください。
八日囿 圭太(ようかぞの けいた)
大手セレクトショップのオリジナルブランドでMDを経験。アウトドアの経験からアウトドア・スポーツアパレルの企画に関心を持ち、2026年1月にHERENESSに加入。
神谷
HERENESSでは、ニッケテキスタイルさんの〈NIKKE AXIO®︎〉という生地を軸にしたウールTシャツを三種類展開しています。ドライウール、オールタイムウールそしてこのウールメッシュ。その中でウールメッシュは、一番アクティブなシーンに特化したものになります。60番手という細い糸を使い、メッシュ構造に仕立てているのが大きな特徴ですね。
神谷 颯人(かみや はやと)
HERENESS立ち上げ時からMDとして製品の企画・制作に関わる。現在はHERENESS事業部長。
八日囿
メッシュ構造のウール生地というのは、もともとニッケさんにもあったものなのでしょうか。
神谷
はい、ニッケさんの方でこれまでもメッシュ構造のTシャツ生地はありました。ただ、従来のものにはポリウレタンが含まれていたんです。HERENESSとしてはポリウレタンを使わないというところをリクエストして、ウール51%・ポリエステル49%という混率に調整いただき、オリジナルの生地にしてもらいました。
ウールとポリエステルの混紡という骨格は変えずに、不要なものを一つ手放す。その引き算が、思いがけない心地よさにつながりました。
ポリウレタンを手放して、見えてきたもの
八日囿
ポリウレタンを使わないことで、素材としてのメリットはありましたか。
神谷
これは意外だったのですが、ポリウレタンがない方がむしろ生地が伸びるんです。開発の過程で初めてわかったことでした。もともとポリウレタンはストレッチ性を出すために入れていたはずなのに、抜いた方が自然な伸びが出る。軽量感も増して、生地の肌離れもよくなりました。
八日囿
実際に着てみると、本当に薄くて軽いですよね。
神谷
ポリウレタンが入ると、どうしても生地に肉感が出るんです。それがなくなったことで、着ていないくらいの軽さが実現できたかなと思っています。
「着ていないくらい」という表現は、大げさに聞こえるかもしれません。けれど実際に袖を通すと、生地の存在感がすっと消えていく感覚があります。肌の上にほんの薄い空気の層があるような——メリノウールの調温調湿がそのまま活きる、そんな着心地です。
エアリーコットンから、ウールメッシュへ
八日囿
ウールメッシュは、ラインナップの中でどんな位置づけになりますか。
神谷
以前、AIRLY COTTON T-SHIRTという綿100%の軽量なTシャツを作っていたんです。アクティブシーンでも使える軽やかなコットンT。それが一旦終了して、その役割を引き継ぐかたちでウールメッシュが生まれました。これまでのラインナップだと、スムースウールかドライウールかの二択で、真夏のアクティビティには少し重かったり、汗の処理が追いつかなかったりするところがあったんです。ウールメッシュは、その弱点を補ってくれる存在ですね。
コットンの軽やかさを愛していた方にも、ウールならではの天然の機能——汗を吸い、放湿し、においを抑え、肌をさらりと保つ力——を体感していただけるはずです。
Tシャツとタンクトップ、それぞれの居場所

八日囿
ウールメッシュにはTシャツとタンクトップがありますが、それぞれどんなシーンを想定していますか。
神谷
基本的にはどちらも、夏のアクティビティでのベースレイヤーとして着ていただくことを考えています。ただ、タンクトップに関してはお客さまから意外な声をいただいて。冬のスキーやスノーボードのインナーとして使っているという方も結構いらっしゃるんです。
八日囿
真夏のランニングから真冬のスキーまで。使い方の幅が広いですね。
神谷
そうなんです。タンクトップはインナーとしてのニーズもあるんだなと、みなさんの声から教えていただいた部分ですね。もちろん基本は夏のレースや、強度の高いアクティビティで。汗をかく場面でこそ、このメッシュ構造の良さが発揮されると思います。
季節やシーンを限定しない——それは天然素材が本来持っている懐の深さでもあります。着る人がそれぞれの暮らしの中で、自分なりの使い方を見つけていく。私たちはその余白を大切にしたいと思っています。
レディースタンクトップという新しい選択肢
八日囿
今シーズンからレディースのタンクトップが加わりますが、メンズとの違いはどこにありますか。
神谷
ザックのストラップの幅は男女問わず同じなので、肩のストラップ幅は近しい設計にしています。大きく変えているのは、脇のあき具合と身幅のバランスですね。レディースの方がよりすっきりとしたシルエットになっています。ただ、基本的な設計思想は同じ。メンズもレディースも、動きを妨げない軽やかさを最優先にしています。
丈の長さに込めた、小さな配慮
八日囿
ウールメッシュのTシャツは、少しゆとりのあるサイズ感に感じるのですが、丈の長さについて気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
神谷
丈が長いというのは、どのTシャツでもいただく声なんです。ただ、ウール素材にはどうしても洗濯による縮みが多少ありますし、ザックを背負ったときにジャストすぎると、背中側がめくれ上がってきてしまう。最初は「少し長いかな」と感じるかもしれませんが、何度か着て、洗って、ザックと合わせてみると、ちょうどいい着丈に落ち着くと思います。

183cm / Size XL
ものづくりには、着た瞬間の印象だけではなく、使い込んでいく時間の中で馴染んでいく設計があります。ウールという素材が持つ自然な変化を、丈のゆとりという小さなかたちで受け止めている——そう捉えていただけたらうれしいです。
これから広がる、メッシュの可能性
八日囿
ウールメッシュの今後の展開について、教えていただけますか。
神谷
ロングスリーブが欲しいという声をいただいているので、この秋にはロングスリーブTシャツも出そうかなと思っています。
Tシャツ、タンクトップ、そしてロングスリーブへ。一つの素材が、季節をまたいで暮らしの中に根を下ろしていく。ウールメッシュというシリーズが、身体を動かすすべての季節に寄り添えるものになればと思っています。
夏の光の中で、あるいは冬の冷たい空気の中で。着ていることを忘れるほどの軽やかさが、目の前のアクティビティだけに集中させてくれる。ウールメッシュシリーズは、そんな「いま、ここ」への没入を、一枚の薄いメッシュに託しています。
WOOL MESH T-SHIRT(UNISEX) 商品ページ
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